【 実践 】雑誌の編集方法から学ぶ、売れる販促・プロモーション術 <前編>
こんにちは。買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。
今日は、どーしても売っていきたい自社の強化商品をお客様に買っていただく際に有効な販促方法をご紹介します。これは紙・ウェブメディア・通販という経験に加え、ファッションブランドでの勤務経験をミックスさせた僕なりの手法です。
安心してください!経験してますよ
ちょっとだけ説得力を持たす上で解説しておくと、紙の編集力とウェブの特性を踏まえてコンテンツ作りをできる人は、まだまだごく一握りしかいないと思います。
そこにブランドでの勤務経験もあり、洋服も大好きで買いまくっているという経験を踏まえると、正直ファッション業界で僕よりうまくコンテンツ制作できる人は、ほんの一握りじゃないかなって? ものすごい勘違いをしています (笑)。
でもね、こう考えるとすべてのピースがピタっとハマっちゃうんですよ (笑)。
1. ファッション特有の共通言語を理解した上で ( =買い物 & ブランド経験 )
2. その魅力を引き出し ( = 雑誌の編集力 )
3. ウェブというメディアを使って露出して ( = ウェブメディア経験 )
4. 売上にまで繋げられる人 ( = 通販経験 )
紙の編集者がウェブメディアに流れるというのは、昨今のトレンドでもありますので、3までの経験者は大分増えてきたと思います ( = 僕より遙かに経験豊富な諸先輩方も多く移籍してきております )。ただ4の売上という部分まで一連で考えられる人は相当希少だと思います。
まぁ、それぞれの中身が薄けりゃ意味ないんですけどね……(笑)。それなりにやってきたつもりではあるので、とりあえずレアキャラの手法がどんなものかだけでも覗いていってください。皆さんの貴重なお時間、無駄にはしないことはお約束します!多分……(笑)。
まずはお客様にリーチするためのメディア選びから
実践編ということですので今回は、春に向けて「トレンチコート」がトレンドになりそうだから、自社のトレンチコートを販売したいという場合を想定して、僕だったらこうして売上に繋げていきます!という考え方の順序をお話をさせていただきますね。
まずファッション誌に掲載するという選択肢は、予算があったとしても即刻選択肢から外します。理由としては、営業担当者が持ってきた好きでもないブランドが編集担当者にぞんざいに扱われ、フォーマット通りのタイアップページしか出来上がってこないことを知っているから。
あ、すいません!いきなり核心ついてしまいましたか?じゃ濁します。そういうところが中にはあるから(笑)。
雑誌に何百万もかけて掲載するなら、美容師さんのように一着売ったら何%バックという感じで店舗スタッフの方に還元した方がよっぽど売上が上がると思います。つか上がります。
じゃ、どうするかというと自社のシーズンカタログ、ニュースレター、メルマガ、SNS、通販ページのランディングページといった自社が持つメディアを使っていきます。
唯一、外部メディアを使うとしたら芸能人コラボとか何周年とかそういうニュースがある場合、雑誌やPRサイトにプレスリリースを配信します。あ、それとアフィリエイトも強化しますね。ただ今回は、通常のケースということを想定して自社メディアを使った手法で実践していきます。
思考のスタート段階が勝負。商売人ではなく編集者になった自分をイメージする
メディアが絞りこまれたので、次は中身に移っていきたいと思います。通常ですと、ここでトレンチコートを「どう売ろう」と考えますよね。ごめんさい。僕は「売ろう」という考えの優先順位が相当低いです。
まず最優先に考えることは、トレンチコートを「どう良く見せるか」、いやもっと言うと「どう良く魅せるか」ということに全神経を集中させます。
「売ろう」と「魅せよう」。起点となる考え方が一つ違うだけで、この後の動きが大きく変わります。
まず「売ろう」と考えた場合。まず真っ先に考えるのが「値引き」です。なぜなら売上を上げるためには、数を売るという発想になるから。ですので、その先の思考としては「どういう形で値引きをするか?」という議論に終始します。
「セットで割引にしようか? 」「いやポイント還元にしましょう」「いやいやノベルティ付けよう!」とかね (苦笑)。
その会議上では、過去の反省点として「実施時期とかオフ率」という、あくまで過去の延長線上にある議論しか行われず、そもそもの選択肢までは議論が及びません。そして水たまりくらいの浅い議論に終始して会議が終わります。この時点で チーン!です。
一方「魅せよう」という視点で考えると全く変わります。だって「魅せる」って漠然としすぎていて、どうすれば良いのか? そもそもから考えないといけない。「トレンチコートの魅力を伝えるにはどうしたら良いか? 」その視点では、価格はあくまで一つの要素にすぎないのです。
ここは経験が活きてくる部分なのかもしれませんが、商売畑で培った考え方が前者。編集畑で培った考え方が後者なんですね。ですので企画段階において僕は、自分が編集者に戻ったつもりでトレンチコートの魅力を引き出して、それを読者ではなくお客様に伝えるということを意識しています。安心してください。今回は実践編です。その伝え方もご紹介しますね。
大前提として宣伝はしない。なぜなら嫌われるから。読み物を目指します
さぁ、いよいよ編集作業です。まず編集脳で企画を進めていく上で大前提となる考え方があります。それは「宣伝しない」ということです。これは 以前のブログ にも書きましたが、宣伝色の強い投稿は、SNSもお客様も嫌いなんですね。Facebook にいたっては表示すらしてくれないんです。
※ 是非、今回ご紹介する手法で1度試してください。Facebookページを活用している方なら計測できると思いますが、通常の「これ発売しました!お早めに店頭までおこしください。トレンチコート ¥20,000」というような宣伝投稿に比べて、少なくても3倍以上はリーチが引き上がっていくと思いますよ!
宣伝しないとは? 具体的にみていきましょう。
通常、カタログやニュースレター、通販ではメルマガやランディングページでトレンチコートを紹介しようとすると「この春のマストアイテム トレンチコート新発売!」。フェアが絡む場合には「今なら ¥20,000 が ¥15,000」というような内容で、モデルさんがトレンチコートを着て掲載するのが一般的だと思います。
結果、メルマガもSNSでの発信も「この春のマストアイテム トレンチコートが今なら25%OFF!」となります。これ絶対にダメなパターンです。理由としては、ただの宣伝ですし何よりお客様にお伝えする内容が値段、いや「値引き」しているという一点しかないから。
トレンチコートに興味がない人は買わないだろうし、¥15,000より安いところがあれば、そちらを買うでしょう。
お客さまは、たくさん似たような店があって、どこで買ってもいい。
あるいは、どこからも買わないという選択肢もあるのに、どうしてあなたの店で買うのか?
これは僕のマーケティングの師匠、藤村先生の言葉。
そう!まずは「どこからも買わないという選択肢」を覆す必要があると思うんです。自店が選ばれるかどうかは、その次の問題。僕も雑誌時代、なにか特集を組む際には「なぜそれを”今”取り上げたのか」という裏付けを導入として誌面に掲載していました。
この記事でもそうです。
普段はあそこまでオラオラの自己紹介はしませんが、今回は最初にこの記事が読むべき内容に値するか? その裏付けを得るために、僕の雑誌・ウェブ・通販・ファッションという4つの経歴を編集して、説得力が増すよう冒頭部分でご紹介しました。
今回のテーマでは「なぜトレンチコートを買う必要があるのか?」を紹介していくことで、まずは需要を喚起していく必要があります。その上で有効な手段となるのが「読み物」を目指すということ。決して「宣伝」じゃありません。
ではお客様の需要を喚起させるために必要な読み物とは?
思いの外、大作記事となってしまったので、続きは次回とさせていただきたいと思います(苦笑)。
もったいぶってすいません。次回もお見逃しなく!
<中編はこちら>
野田 大介
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