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O2Oと嫁の説得が鍵を握る高級時計の通販【後編】|買い物中毒のファッション通販アドバイザーのカートリスト

O2Oと嫁の説得が鍵を握る高級時計の通販【後編】|買い物中毒のファッション通販アドバイザーのカートリスト

こんにちは買い物中毒のファッション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。

今回は、前回に引き続き高級時計を通販するというお話の続編。グーグル・アナリティクスでは計測することのできない様々な人間ドラマが渦巻く中、入念な準備の末に最大の難関である嫁の説得を終え、いよいよ購入のステップへとコマを進めてきました。

是非、通販担当者様には購入完了に至るまでのユーザーフロー事例として【前編】と合わせて、ご一読いただければ幸いでございます。

【参考記事】
O2Oと嫁の説得が鍵を握る高級時計の通販【前編】

 

ステップ3 購入/購入障壁を引き下げる店鋪受取

購入する店舗は、前回の記事で調べた「カメラのキタムラ」の通販サイト。さすがに50万円の通販は初めての経験なので嬉しい反面、少しの不安。くまなく商品詳細ページを読み込んでいると右上に「お店渡し可」のアイコンを発見。渡りに船とはこのこと。

  購入画面
 icon-external-link カメラのキタムラ

よく考えてみると現物は、5年~6年前に1度見たきり。それで50万円のお買い物できる程、セレブな人生送ってません。方向転換、店鋪受け取りで決定です。

ページ下部に「電話での店鋪受け取りご注文」とあるので即連絡。電話口では非常に感じの良い男の方が応対してくださいました。荷物は四国の倉庫から発送するので、2日程で私が指定したカメラのキタムラ新宿西口店で受け取れるとのこと。

決済方法は20回のショッピングクレジットという希望を伝え、最終的な決済は店鋪で行うということで注文完了。しばらくすると商品詳細ページの「買い物カゴに入れる」ボタンが「ただいまご注文できません」ボタンに変わりました。このときの爽快感と達成感たるや、筆舌に尽くし難いものがありました。

ただ、がっつりアシストしているのに今回の私の注文分は、価格.comには反映されないんですよね。なんだか申し訳ないです……。

 

ステップ4 店鋪受取/リアルとウェブの良いトコどり

きっちり2日後に電話がありカメラのキタムラ新宿西口店へ。店内は携帯や写真プリント機が並び、とても時計を買うような雰囲気ではなく逆に面白い。店員の方に店鋪受け取りの旨を伝えるとカメラのボディを販売するフロアへと案内されました。

しばらく待っていると白い手袋をしたスタッフの方が白い箱を持って登場。いよいよご対面です。スタッフの方によって白い箱が丁寧に開けられ、中から薄紙に包まれた深紅の箱が登場、箱が私に差し出されます。この初回の「パカッ!」の瞬間を、きっちりお客側に任せるというのは非常に大事な演出だと感じます。

きっちりその儀式を堪能し遂にスピードマスターとの再会です。しかし気持ちが高ぶっていたのか、早く持って帰りたかったのか、そのときの心境は覚えていませんが特に何かを確認するわけでもなく、一目見てすぐお会計。

お会計はタブレット端末で、オリコのクレジット申し込みをします。色々と登録フォームに入力すべき項目がありましたが、EFO( =入力サポート機能 )が付いていたので特にストレスも感じず申し込み終了。

10分程で店鋪に電話が入るので、電話口を変わり本人確認を済ませるとあっという間に審査終了。後日引き落とし口座の記入用紙が自宅に届くということでした。

そして次の日、渋谷東急東横店8階にあるメンテナンスショップに購入のきっかけとなった革バンドを持ち込みバンド交換( なんと無料!)をして、遂にミッション・コンプリート!

最終的にはこんな感じに仕上がりました。いかがでしょうか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今回の通販では、リアルとウェブの良いところを融合し非常に効率の良い購入体験ができたと思います。やはり高額通販の場合、O2Oの安心感は圧倒的だと痛感しました。

事実「カメラのキタムラ」では、2014年3月期の「EC関与売上」は、前期比11.5%増の435億円。この数字は「宅配売上」と「店受取売上」を合算したもので、「店受取売上」は通販サイトなどで注文した商品の店舗受け取り売上高のほか、店舗においているタブレットを利用した取り寄せ注文も含まれており289億円を占めている (引用元:通販新聞 )とあります。

カメラ機材など、高額商品の取り扱いが多いカメラのキタムラでは、ECが関与した売上のうち純粋にネットだけでの購入額は1/3。他の2/3はリアルとウェブが補完しあうことで生まれています。

また今季予想として「宅配売上」は微増だが「店鋪受け取り売上」は、さらに伸びるとあります。【 実店舗で試着して、買うものを決めてから通販で買うのか?】【 通販で在庫を取り寄せて、実店舗で試着してから買うのか? 】決めるのはお客様です。

ですがショールーミング、ECシステムの制約、POSとの連携など、販売側の都合で見るとまだまだ様々な問題が山積しているのが現実で、上記のような選択肢をお客様へ提供できているブランドは一握り。

でもアパレルという商材において試着は切っても切れない重要なサービスですので、実店鋪があるブランドは実店鋪を利用して、実店舗がないブランドは「Oh My Glasses」のような返品前提の試着サービスを検討するなど、より多くのブランドでO2O施策が実施され、お客様の不安が少しでも解消されることを期待しております。

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野田 大介

野田 大介

株式会社ファナティック代表取締役
月刊誌Ollie magazineの編集者からキャリアをスタート。その後は、フリーライターとしてhoneyee.comやLightningなどでの執筆、複数のアパレル企業で商品企画、生産管理、店舗/卸営業、通販業務を歴任。現場の最前線で培った通販の運用実積に加え、メディア業界で培ったコンテンツ・マネージメント力、そして長年のアパレル経験と、アパレル通販を運営する上で必要な知識と現場経験の両面を網羅。趣味、というか生きがいは「買い物」

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