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「一対一」の接客と「一対複数」の接客。この特性に沿った評価制度を!

2016.01.21:ノウハウ
「一対一」の接客と「一対複数」の接客。この特性に沿った評価制度を!

こんにちは。買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。

先日、YAMAYOKO.com の横山さん、俺のオムニチャネル。の古波蔵さん、そしてTMDの沢辺さんの4人でお食事させていただく機会がございました。4人3人が The FLAG のECコメンテーターであり、沢辺さんも109のWEB戦略を担うお方。

それぞれが相応のリテラシーを持ったメンバー ( って自分も含めてしまったw ) なだけに、そこでの話題はEC関係者にとって注目すべき内容だと思いましたので、ご紹介していきたいと思います。

 

ショップスタッフの方が大事。接客で売上が変わるって良く聞くけど。。。

ECヲタクたちの集まりですから国内外の最新事例やソリューションといったバリバリのマーケティング論や事例を酒のつまみに熱く語っていると思った方、ゴメンなさい。全然してないです(笑)。

話題はたった一つ。「ショップスタッフの方」について。具体的には「年収1000万のショップスタッフは、どうすれば出てくるのか?」っていうようなお話でした。僕がご一緒する「現場を本当に知っている方」とお話すると、必ずこの話題になります。

ここからは少し極端な意見が入るかもしれませんが、それはあくまで僕の個人的な意見です。

よく実店舗を管轄する方たちとお話すると「ショップスタッフの方が大事。接客で売上が変わる」という話をよく聞きます。でも評価、具体的にはお給料で考えると「それ本当?」って思ってます。

僕たちEC畑の人間からするとレベニューシェアとかアフィリエイトといった成果報酬の仕組みって身近な存在ですが、同じ会社でも部署が変われば当たり前でなくなる。中には個人売りを付けているブランドもあると思うのですが、売れたら売れた分だけ歩合給として青天井で支払うところまで行っていないのが現実。

それで「スタッフが集まらない」とか「売上が上がらない」と悩んでいる。「え!? 大事だったら売上の1%でも2%でも還元すればよくないですか?」というのが率直な意見。とりあえず雑誌。そんなお金の使い方をするくらいであれば、そのお金をスタッフの方に還元した方がよっぽど売上は上がるって本気で思っています。

いや、僕もブランド経験があるから分かります。本社との兼ね合い、売れてる店舗と売れない店舗の兼ね合い、そういうことを考えると二の足を踏む気持ちも分かります。

でもね、ブログ経由であればフェアだと思ってます。そこには地方格差も店舗格差も部署格差もない。通販での売上に限られますが経由売上も計測できますしね。それは STAFF START のような経由売上が分かるコーディネートアプリだっていいし、店頭のスタッフさんがオンラインで質問に答えるSTYLERだっていい。

staffstart 

スタッフの方がブログやコーディネートで発信して、自分のSNSでそれを拡散する。そのブログやコーディネートを経由して売れたら1%でも2%でも良いから本人へ還元する。発信量も一気に上がると思いますし、勝手にSNSやブログの勉強もして質も引き上がると思います。

これからはオウンドメディアと呼ばれる自社の媒体で効果的な発信できないブランドは、間違いなく市場から淘汰されます。本社だけでなくスタッフの方一人一人が発信の質を高めることを普段から意識しているブランドとそうでないブランド、積み上がったときの差は途方もない売上の差となって跳ね返ってくると思います。

その上で今日一番言いたいこと書きますね。

「一対一」の接客に長けたスタッフと「一対複数」の接客に長けたスタッフ。この特性がある!

ということ。

総じて評価されるのって一対一の接客が得意な人。来店してからという目の前の部分しか評価されない傾向がまだまだ根強い。でも一対複数の接客が得意な人もいます。それはSNSで影響力のある人。フォロワー100人のスタッフと10,000人のスタッフ。多少接客が苦手でもフォロワー10,000人持っているスタッフの方が、今は影響力を持つ時代になりました。

いくら一対一の接客が得意なフォロワー100人の店長が頑張っても、フォロワー10,000人の接客が苦手な新人の方が波及力では秀でている。だから評価基準は分けて考える必要があると思うんですよ。

「一対一の接客が得意なスタッフ」「一対複数の接客が得意なスタッフ」。この2つがあるということを理解して、フォロワー数や獲得いいね!数も評価に組み込む。できれば歩合で。

staff

昔は「自分のブランドが持てる!」とか「洋服が大好きでたまらない!」とか、夢や希望がアパレルで働く大きな理由だったと思います。残念ながらそれが薄れてしまっている現在は、給料が安いとか立ち仕事でツライとか、そういう面ばかりフォーカスされています。

昔のカリスマブームとは違い、それが夢ではなくお金かもしれないけど「あのスタッフが年収1000万超えた」というような現実が起こることで、その先に夢を見ることができるんじゃないかなと思います。

このような仕組みについて熱く語るのは、いつもEC側の人のような気がします。それはECを突き詰めていくと、どうしても店頭で接客しているスタッフの方には敵わないという壁にぶち当たるからだと思う。

ECの購入率は1%くらいですが店頭はもっと高い。じゃその差って何かと考えると試着とか素材感もありますが、スタッフの方の接客が大きな要因だと思います。なぜならECではみんなが苦心しているパーソナルな接客が当たり前に行えるから。

それが分かっているからこそ、EC関係者はその力を借りるべくシステム開発に投資してブログやコーディネートから、どれくらいの売上につながったのか効果測定できるシステムを揃えつつある。後はその集計を受けて、実際に還元する体制が必要となる。

でもそこから先はEC担当の管轄ではなく実店舗の管轄になる場合がほとんどで、なかなか理解を得れずに踏み込んだ取り組みが行われていないのが現実。

僕らの力不足が原因なので、やはり事例を作って納得していただくしかない。それさえあれば右向け右なのが、アパレル業界の良いところでもあり悪いところでもある(笑)。でもね、こんな取り組みが始まっているのも事実なんですよ。

【 参考記事 】
社員のやる気を引き出す 三越伊勢丹がすご腕販売員に優遇制度 

このような恒常的な取り組みが難しいのでれば、期間限定でフェアの対象商品に対して1枚販売するごとに100円でも500円でもバックする、そういう実験的な取り組みからでも全然良いと思うんです。試しにやってみませんか?

もし試す上で味方が欲しいという方は、次回の「ショップスタッフ向上委員会」( =と勝手に命名w ) にご参加ください。堅苦しいことは抜きにして同じ志を持つ同士、美味しいお酒とおつまみを囲みながら熱く語り合いましょうよ。

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野田 大介

野田 大介

株式会社ファナティック代表取締役
月刊誌Ollie magazineの編集者からキャリアをスタート。その後は、フリーライターとしてhoneyee.comやLightningなどでの執筆、複数のアパレル企業で商品企画、生産管理、店舗/卸営業、通販業務を歴任。現場の最前線で培った通販の運用実積に加え、メディア業界で培ったコンテンツ・マネージメント力、そして長年のアパレル経験と、アパレル通販を運営する上で必要な知識と現場経験の両面を網羅。趣味、というか生きがいは「買い物」

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