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【スタジオ撮影編】売れる商品撮影のテクニックを元ファッション誌の編集者が伝授 Part .2

2015.12.02:ノウハウ
【スタジオ撮影編】売れる商品撮影のテクニックを元ファッション誌の編集者が伝授 Part .2

こんにちは、買い物中毒のファッション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。

最近の狙っているお買い物は、WtapsとGB SKINSのライダース。値は張りますがワッペンや背中のハンドペイントなど見所満載の1着で、この冬のメインアウターとして購入を検討しています。

さて今回のテーマは、以前大反響をいただきました「売れる商品撮影のテクニック」の続編。前回はロケ撮影のテクニックをご紹介しましたが、実際の撮影時や講演での質問タイムにおいて、スタジオ撮影のテクニックについて多数のご質問をいただきました。

そこで今回は【スタジオ撮影編】と題して、スタジオ撮影において商品をより良く「魅せる」撮影テクニックについてご紹介していきます。今回も前回同様「見せる」ではなく「魅せる」という部分がポイントとなります!

※画像提供 DURAS OFFICAL WEB STORE

 

スタジオ撮影の画像を「魅せる」画像に変えるには、まず固定概念を捨て去ること

スタジオ撮影の画像を魅せる画像にしていく上で、まず必要なことは「固定概念を捨てる」ことです。皆さん通販の商品写真は、モデルさんがセンターで商品が全部写っていないとダメと思っていませんか? いや、思っていたらまだ良くて、何の疑いも無くそうしていませんか?

そう!そこに疑いを持って「モデルさんがセンターで、商品がしっかりと全部写っている」という固定概念さえ捨て去れば、もうできたも同然です(笑)。自社サイトなら画像の制約はないですよね? なのに、ほぼ全てのサイトで「モデルさんがセンターで、商品がしっかりと全部写っている」画像が使われている。

有名で人気もあるブランドから知名度のないブランドまで、何の疑いもなくほとんどのブランドが同じ土俵で勝負しています。でも視点を変えれば、そこに独自化できるポイントが潜んでいるわけです。こういうのを見つけたときのワクワク感たるや(笑)。早速テストして検証です。

 

重要なのは「カッコいい」とか「カワイイ」という、引っかかりを持って商品詳細ページに来ていただくこと

photo1

まず1つめの画像。左側の見せる画像は基本通り正面向いて定番ポーズ。一方で右側の魅せる画像はというと、横向いちゃってます! 通常でいったら商品がよく「見えない」からNGです。

ところが見せる画像に対して、魅せる画像のート投入率は151% という結果です。

身体のラインが綺麗に出ているとか、バッグがあるからとか、理由を付ければ色々あると思いますが、1番の理由は単純にカワイイし雰囲気がある(笑)。なんてことはない、これに尽きると思います。

 

photo2

次の画像はこちら。まず結果からお伝えすると左側の見せる画像に対して右側の魅せる画像は、カート投入率で169% という結果です

ネック部分をアピールするために髪をアップにしたり、普段着るように腕まくりするといった細かいポイントはあるのですが、この画像はトリミングも重要なポイントです

魅せる画像はやや右側に寄っていて、頭と腕が切れているのが分かると思います。通常は真ん中に配置して、足以外は極力切らないことを意識します。

でも魅せる画像では、むしろ切ることを前提にしています。その方が寄った画像にすることができるし、何より商品一覧ページに画像が並んだとき画面に動きが出ます。これは同じような画像が並ぶ他社モールに画像を共有する際にも非常に有効ですので、是非トリミングで遊んでください。

 

photo3

最後は、こちらのボーダーワンピース。同じ画像ですが左側の見せる画像に対して右側の魅せる画像の結果は カート投入率で129%。同じ画像なのにこの差です。これも先程紹介したトリミングのテクニックだけ。

通常だとワンピ-スの長さが分かるように裾の下で切ります。でも商品詳細ページに入れば他画像で長さは分かります。重要なのは、商品一覧ページで「カッコいい」とか「カワイイ」という引っかかりを持って商品詳細ページに来ていただくこと。その視点さえ持てれば、裾の長さが重要ではないと気付くことができます。

 

今回ご紹介したのはこの3枚ですが、「見せるスタジオ画像」と「魅せるスタジオ画像」でテストを繰り返した結果、「魅せるスタジオ画像」の方が平均してカート投入率で114%、メルマガのクリック率では134% と、結果が出ています。

魅せる画像を作る上で大事なのは「カッコいい」とか「カワイイ」という視点です。「ちゃんと見えているか?」という視点は、むしろ売上を下げる要因です。ちゃんと見えるという視点で選んだ画像は「作業」で選ばれた画像です。でも純粋に担当者が「カッコいい」とか「カワイイ」という視点で選んだ画像には、感情が入るので必ずその想いはお客様に伝わります。

 

商品一覧ページの理想はインスタグラム

これは常々言っている僕の主張なのですが、【 商品一覧ページの理想はインスタグラム 】ということ。個人のインスタのアカウントには「体験」が溢れている。いや、むしろ「体験」しかない。例え物撮りだとしても、純粋にその人が体験して「これカッコいいから、みんなに見てもらいたい」という想いが込められている。

ECサイトは「いいね!」をもらうより、さらにハードルが高い買っていただくことがゴール。であるならば、マニュアル通りの作業画像で良いわけがない。魅せる画像にするために「カッコいい」とか「カワイイ」という視点を持つ。それにはインスタに投稿するときをイメージすると良いと思います。

インスタにアップするときは「ちゃんと見えているか?」という視点ではなく、純粋に「カッコいい」とか「カワイイ」という視点から画像を選び、トリミングしていると思います。それで良いんです。純粋に「カッコいい」とか「カワイイ」という感情だけを頼りに、既成概念にとらわれず楽しむと良いと思います。

大丈夫!楽しみながら選んで加工した画像なら絶対売れますから。


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野田 大介

野田 大介

株式会社ファナティック代表取締役
月刊誌Ollie magazineの編集者からキャリアをスタート。その後は、フリーライターとしてhoneyee.comやLightningなどでの執筆、複数のアパレル企業で商品企画、生産管理、店舗/卸営業、通販業務を歴任。現場の最前線で培った通販の運用実積に加え、メディア業界で培ったコンテンツ・マネージメント力、そして長年のアパレル経験と、アパレル通販を運営する上で必要な知識と現場経験の両面を網羅。趣味、というか生きがいは「買い物」

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