キーワードは共通点!ZARAもユニクロも味方に付けて自社の売上をアップする方法
どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?
少し前ですがこの記事を読んで共感度がハンパなかったので、今日のブログではこの内容にボクの経験を添えて「お客様との共通点を意識することで売上がアップ」するという事例をご紹介していきたいと思います。
まずはその記事についてご紹介。
【堀江貴文×MB】ここが変だよZOZOTOWN。ユニクロと差はなぜ付いた?
この記事内でボクが共感したポイントは以下。
MB 洋服もそうですね、レッドオーシャンのように見えるけど。あんまり自分のブランドの売り上げとかって言わないんですけど、去年一年間で一番売れたものがあって。まぁ枚数が決まってるから、一番売れたって言っても1000枚で止まってたりするんですけど。そのなかでも瞬殺でなくなったのが、ミドルコートっていうコートの中に着るものなんだけど。
それってなぜ作ったのかというと、ユニクロのコートの中にドッキングさせるために作ったんですよ。ユニクロでめっちゃ売れてるコートがあって、そのコートをみんな着てるんですよ、ビジネスでも着られるようなコートだから。だから、それにプラスアルファで買うと、みんなが着ているユニクロのコートが、みんなが着ているコートじゃなくなるよっていう提案をしたんです。
寺田 あぁ、ちょっとオリジナリティを出せるんですね。
MB そうなんです。もちろん単体でも着れるんですけど、プラスオンでユニクロのアイテムにセットすると、めっちゃ格好よくなるよって提案したら、これがめっちゃ売れて。
みんなユニクロと戦おうとするんだけど、そんなことをしても勝てるわけがないんだから、数の論理で。だから敵にしないで味方にしようと考えたんだけど、アパレルの人ってそういうことを考えないから。まぁ、飲食もそうなんですけど。みんな真っ向勝負をしようとして、泥沼にハマっていくんですよ。安売りでハマっていく人と、あまりにもニッチな方向にいってハマる人の2通りがあると思うけど。
ユニクロと戦ってもどうせ勝てないんだから共存を考える。もっと言えば他社との共存を前提としてアイテムを開発してプロモーションも打ち出す。こういう取り組みがなんで全然ないんだろうと思っていたので「そそー!」と思わず膝を叩いてしまった内容でした。
「ユニクロのコートに合わせるためのアイテム!」。ここまで絞られたアイテムであれば、ユニクロのコートを持っている人には刺さるキャッチになります。むしろ持っていない人でもユニクロのアイテムってベーシックなものが多いので、似たようなものをすでに持っている可能性も高いから興味を持ってもらえるかもしれない。
こんな素材とか、メイド・イン・どこどことか、そういうスペック的な打ち出しより、よっぽどお客様に共感してもらえる商品になるんじゃないかなって思うんです。
で、この共感ってのが絶対に重要視しないといけないキーワードで、昔はある程度突き放して憧れの存在になることで売上が上がっていったけど、そんなことができるのは今やわずかなブランドのみ。ほとんどのブランドは、もうお客様に寄り添うことでしか生き残れないんだと思います。
お客様との距離を縮めるには共通点探しが近道!ブランドでも共通点を演出せよ!
人間やっぱ共感、もっと簡単に言うと共通点を見つけるだけで一気に距離が縮まるもの。誰しもが初対面の人と「地元・知り合い・趣味」これらの中から共通点探しをしたことがあると思います。人同士ではするのに、なぜかブランドとお客様という関係になるとこれをしない。
確かにブランドという人でない存在には 「地元・知り合い・趣味」というものが存在しません。ですのでデザイナーやスタッフといった個を全面に出して、それを補おうという取り組みも盛んに行われています。でも現実は、ある程度の規模になってくるとそれだけじゃ厳しい。もしくはライセンスブランドなど、方針として個が出せないブランドだって多く存在します。
じゃ、どうすればいいか? 「ブランドとして持つことができるお客様との共通点」を打ち出せばいいじゃないでしょうか?
例えば、どんなことか? ボクが実際にやってきた事例をご紹介していきますね。
初めての方へ向けた定番アイテムで共通点を演出!
「また同じようなもの買って!」。よくお母さんや嫁がこんな小言を言っているシーンって見かけませんか?
確かに意識してるわけでもないけど、案外似たものを買ってしまうケースってよくあります。この現象って何でだろう?と考えたことがあるんですが「人間そこまで冒険しないので、過去に自分が買ったモノに似たものを手にとる」という傾向があると仮説を立てました。ようは安牌ってやつですね。
ってことは、まだブランドの魅力を知らない新規のお客様に向けては「安牌」を集めたコーナーをオススメする方が良いんじゃないかな?って思ったんです。そこで試してみました。
まず洋服でいう「安牌」とは何かを考えました。そして候補として浮かんできたのが「無地Tシャツ」「ボーダー」「バッグ」「シューズ」。これだったら絶対に誰しもが持っているアイテムなんじゃないかと。
そしてこれらを集めた商品一覧ページを作成して「 初めての方へオススメのアイテム 」として打ち出しました。そしてサイト内の「初めての方へ」「会員登録完了ページ」「会員登録時のメール内」「ウェブ接客ツールを使って新規客へのバナー表示」これら新規のお客様が経由する箇所にことごとくリンクを貼っていきました。
そうすると新規のお客様の成約率が15%程度アップ。
「初めての方へオススメのアイテム」ページを経由することで「私がすでに持っているようなアイテムが売ってるブランド」というお客様とブランドとの共通点ができて、初回購入のハードルを下げてくれたんじゃないかと思います。
コーディネートはお客様の条件と揃えることで売上アップ!
もう1つがかなり抵抗あるかもしれない手法ですが、心理的ハードルさえクリアしてしまえば簡単に、そしてほぼ確実に売上が上がる手法です。
それは「お客様とコーディネートの条件を揃える」ということです。
よくサイト内にある全身自社の商品のコーディネートを見て「宣伝くさくて共感されないだろうな」って感じていました。もはや1つのブランドで全身を揃えるなんて遠の昔のお話で、お客様はユニクロやGUなどをうまく取り入れて自由にコーディネートを楽しんでいる。スタッフの方だって私服ではハイブランドからファストファッションまで、うまくミックスしてコーディネートを楽しんでいるハズです。それがリアル。
その状況を考えれば、コーディネートに他ブランドの商品を取り入れ、着用ブランドとして名前も掲載することで「ユニクロやザラに合わせたコーディネート」というお客様と共通点が生まれ、ブランドをより身近に感じてもらうことができるんじゃないかなと考えました。
そこで実験。
最低1点は自社の商品を使えば他は私物でOK!いや、むしろそうしてほしいとお願いしてサイトにも着用している他社ブランドの名前も掲載したことろ、全身自社のコーディネートより他社を混ぜたコーディネートの方が平均で19%ほど売上がアップしました。
理由は2点かなと推測します。お客様の手持ちのアイテムと同じという共通点が生まれたこと、またもう1つはスニーカーが流行っているのに自社では作ってないから履けないとか、そういう不毛な制約から一気に開放され本当に旬でリアルなコーディネートをお客様に紹介することができたことが要因なんじゃないかと思います。
また思わぬ副産物として自社の強みと弱みがハッキリと浮き彫りになりました。それはスタッフの方々が、ワンピースは多くの人が着用してるけど、バッグや靴はほとんどの人が他社商品となれば、それがリアルな自社の評価ということが分かります。
と、2つほど事例紹介しましたが、もう「自社だけで完結させよう」みたいな狭い目線は持たない方が良いと思うんです。だってお客様は1社に絞って検討するわけでなく、色んなブランドを比較検討して良いとこどりをするんだから。
ザラやユニクロを敵に回すのではなく共存する。むしろ「乗っかる」くらいの方が今のお客様の気分にあったブランド展開ができるんじゃないでしょうか?
野田 大介
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