実店舗の売上がアップする通販・SNSの活用方法!
通販やウェブは敵じゃない!味方につければ売上は上がる!
どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?
今日は、通販サイトやSNSを活用することで実店舗の売上を上げる方法をいくつか提案していきたいと思います。実際、ウェブでの反応をリアルで活かすという方法は浸透しつつあり、例えば大人気のウェブマガジンMERYは雑誌の創刊にあたって付録をアンケートで決めました。
ついにMERYの雑誌が発売します♡あなたの投票で創刊号の付録を決めてね!|MERY [メリー] https://t.co/wydCRQDNI6
— ファッション通販アドバイザー 野田大介 (@KURUZE)
こうすることでMERYは、自分たちの勝手な思い込みで間違った付録に膨大なコストをかけることを防ぐことができる。一方、読者の人は「自分たちで付録を決めた」という帰属意識が高まるので、その雑誌を購入するということに使命感を持ちます。
さらにその付録を使ったフォトコンテストも開催することで、帰属意識と使命感を持った読者はSNSに投稿して拡散のお手伝いもする。
どうです? 自分たちの思い込みだけで進めるより、よっぽど確実で読者との「つながり」も築けると思いませんか?
今や本の表紙をアンケートで決めたり、本の内容ですらブログで試して、その中で反応の良かったものをアンケートで絞り込んで書き始める。そんな手法も行われています。
ウェブのせいで雑誌の部数が減ったという事実がありますが、このMERYの例はウェブを味方にすることで、むしろ部数を伸ばすことができたんじゃないでしょうか?
店舗でも同じことが言えると思います。よくショールーミングを引き合いに出してウェブや通販サイトは実店舗の敵!みたいなことが言われますが、そうとも言い切れない。要は「両方の特性を理解した上で使いこなす」ことさえできれば、双方の美味しいトコどりができるはずです。
そこで今回は、通販経験、ブランド経験、雑誌経験、ウェブメディア経験という、ごった煮な職歴を持つ僕の視点から「通販サイトやSNSを活用することで実店舗の売上を上げる方法」を提案していきます!
ノベルティは、MERYと同じ手法をしてみては?
まずはノベルティ。僕はノベルティはお客様との関係性を深めるために使うので告知しないで配布する派です。ですが集客を一番に考えるのであれば告知することが必要になりますが、その際、普通に「一万円以上お買い上げでノベルティプレゼント!」なんて告知しても今や誰にも響きません。
だったらMERYのようにそもそも何を配布すれば良いか聞いてしまえばいい。そうすれば告知効果もあるし、お客様との関係性も築ける。例えば、通販サイトの購入完了画面にアンケートへのリンクを設置して、そこで回答してもらうのはどうでしょう? アンケートツールは安価で提供されています。
もし無料で聞きたいのであればSNS。例えば候補のノベルティの画像をアップして「あなたのいいね!が次のノベルティを決める!」という企画にして「いいね!」数に応じて、配布条件がどんどん下がるとか。 もしかしたら自分の選んだノベルティを応援しよう!と頑張って拡散してくれるかもしれません。
さらに、そこで決まったノベルティに「いいね!」したお客様は、すでにそのノベルティに一定の愛着を持っているので、普通に「一万円以上お買い上げでノベルティプレゼント!」と言われるより、よっぽど購入につながる可能性は高くなるんじゃないでしょうか?
そのボディは適切? 一度ページビューやいいね!数で試してみれば?
これもノベルティの発想とほぼ同じ。新作が入荷した際、ボディ(=マネキンのことね!) に着せるコーディネートはブランドサイトや通販サイトにスタッフコーディネートとして掲載して、ページビューが良かったものを採用する方が効率的だと思います。
もちろんSNSも効果的。新作に合わせてコーディネートのバリエーションを予め撮影しておいてSNSにアップする。その「いいね!」数がお客様の反応となるので、「いいね!」数が多いものをメインのボディに着せてみる。これはメールなどで情報共有する必要もなく、店頭でスマホをちょっと見れば全店のスタッフがリアルタイムに把握することができます。
一生懸命コーディネート資料を作って全店に共有しているブランドってたくさんあるけど、僕が責任者だったら社内資料に一生懸命時間を割くくらいならコーディネートのバリエーションをより多く撮ってほしいとお願いします。合わせて「どんどんお客様に尋ねてみて」ということも忘れずに付け加えます。
その結果は全店のスタッフがスマホを開けば見れるので、資料作成は一切いりません。無料だし、こんな効率的な手法はないと思うのに、やってるところは少ない ( ない? ) じゃないでしょうか。
お店のポップ。全店に配布する前にバナーで試してみては?
お店に貼るポップも全店で貼る前に通販サイトで一旦シュミレーションすると良いんじゃないでしょうか? ページを出し分けすることができるLPO機能があれば簡単にできるのですが、大半のサイトにはないと思いますので、その場合メルマガで十分かと。
まずメルマガに使用するバナーを2つ用意します。その際「人の画像が良いか? 物の画像が良いか?」「キャッチコピーはAがいいかBがいいか?」など、どこかに差を付けたものを用意します。そしてそのバナーに設置するリンク先は GoogleのURL生成ツールで作成します。
その際、どっちのバナーか分かるよう utm_content で指定してパラメータを付与します。あとはバナーとパラメータ以外は同じ内容のメールを2通用意して、会員を2つにわけて配信するだけ。その際、会員番号は上と下でも、奇数偶数でもなんでも良いと思います。
あとは Googleアナリティクスの集客 > キャンペーンを見ることで、流入数や成約率が分かるので、そこでバナーの善し悪しが丸裸になります。あとは反応が良かった方のポップを全店に配布するだけ。メルマガなのでテスト期間は1日〜2日で済みます。
もし実店舗だけでやるイベントの場合は、店舗メルマガを使ってリンク先がブランドサイトのニュースページになると思うので、流入数で比べれば良いと思います。
一方で「同時だと印刷の時間がかかるので、できません」というのが絶対出てきます。そうですね、じゃあ「通販で先にやれば良くないですか?」というのが僕の答え。通販の方が先に実施すると……、これ分かります。でもそれは「ウェブや通販サイトは実店舗の敵」という昔ながらの考え方。これを捨てない限り、この貴重なお客様の声に耳を傾けることはできません。
予約会を実施して、追加生産するカラーを絞る!
通販では全店舗分のサンプルを揃える必要がなく、画像だけ用意すれば予約会が簡単に実施できます。このメリットを使わない手はありません。売上を上げる上でも仕入れを効率化する上でも、予約会は必ず実施してください。
大抵の通販サイトでは、在庫が切れた場合「再入荷リクエスト」という機能がついています。実際の予約数と再入荷リクエスト数を集計し、人気商品については追加生産を検討すると思いますが、ポイントは「反応が出たカラーに仕入れ予算を集中」させることです。
例えば、3色展開の商品を100枚追加できる予算があるとしたら、実店舗では「40:30:30」とか「50:30:20」といった具合にバランスを重視しますが、通販サイトでは「100:0:0」とか「80:10:10」というように、反応が出たカラーに持てる力を集中すること方が効率的。それは店頭と違って色バランスをあまり気にしなくても良いから。
でも実店舗も、できるだけこの考え方を持つと良いと思います。理路整然と並んでいるラックも当然必要だと思いますが、多少バランスが崩れても、お客様が興味のあるものだけを並べたラックがあってしかるべきかと。必然的にそのラックには支持率の高い色やアイテムが並んでいるハズですので、綺麗に並んでいるだけのラックよりお客様を惹きつけるのではないでしょうか?
通販やSNSはあくまでツール。使いこなすにはアイデアが必要
以上のような施策をグロースハックという言葉で表現する人もいると思います。でも難しい言葉で覚えるのではなく、単純に「自分たちで考えたところで分からない」と割り切ってしまえば良いんだと思う。
今ファッション業界が元気ないのってモノが悪いんじゃないんですよ。事実、昔より安くて良いモノが溢れかえっている。じゃあ何が悪いのかって「伝え方」。みんなして似たようなモノを似たような伝え方をして、お客様に買ってもらおうとしている。そりゃ虫が良すぎるって話。
モノも情報も溢れかえっている最中、多様化するお客様の嗜好を「自分たちでキャッチアップし続ける」なんて離れ業はさっさと諦めてしまった方が良い。その変わり「分からないから聞く」というスタンスの方が今の時代にあっているんだと思う。
そりゃ「何がいいですか?」っていうオープンクエッションをしたところでお客様は答えてくれないけど「僕たちはこう思うんですけど、どっちが好みですか?」という分かりやすい形にすれば意思疎通が図れて関係性が築きやすくなると思う。情報が増えすぎた今はとくにね。
そのために必要なツールはもう揃っているのだから、後はそのツールの特性を理解した上で「使いこなす」だけ。
そして使いこなすためには、こういうこと調べるには通販のこの機能が使えるなとか、インスタの方があってるなとか。そういう自分のアイデアがないと難しいと思います。だって、何もアイデアがなければ受け身でツールと向き合うことになるので。
でも自分で試したいアイデアさえ持っていれば、それを実現するために通販やSNSをどう使おう?という発想に変わるので、「使いこなす」ことができるようになっていくと思う。
そうやって通販やウェブを味方にしてしまえば、こんなに心強いことはないと思います。
それは元々雑誌とブランドという世界から、通販やWEBメディアというデジタルな世界へ飛び込んで両方を経験してきた上での実感として確信しています。
でも現状を見渡すと同じ社内にも関わらず、実店舗と通販では部署間の垣根がまだまだ存在し、紹介したようなクロスオーバーした取り組みがほとんどできていません。本当にもったいない。
ここで提案した内容は一例だと思いますが、通販サイトは売るだけの役割。SNSは宣伝するだけの役割。この間違った固定概念を捨てて「他になにかできるんじゃないか?」という視点で向き合うと面白いんじゃないでしょうか?
僕もよく空振りしますが、お店を眺めながら、そんなことを考える時間を定期的に設けるようにしています。
野田 大介
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