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【 実践 】雑誌の編集方法から学ぶ、売れる販促・プロモーション術!<後編>

2016.01.18:ノウハウ
【 実践 】雑誌の編集方法から学ぶ、売れる販促・プロモーション術!<後編>

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?  

これまで二回お送りしてきたこの企画も、いよいよ今回でラストとなります。

【 参考記事】 <前編>    <中編>

前回はお客様の「どこからも買わない」という選択肢に対して、対策を講じることが完了しました。

次は「たくさん似たような店があって、どこで買ってもいい。その中でどうしてあなたの店で買うのか?」というお客様の気持ちに応えていきたいと思います。 

 

いよいよ自社の商品紹介。意識することはアピールポイントを絞って伝える

お客様にトレンチコートがトレンドであり、今押さえるべきアイテムである!という情報を読み物でお伝えした後は、いよいよ自社の商品を紹介していきましょう。

僕はその際、そのトレンチコートの中で膨らませることができるポイントを見つけ出し、そこを訴求していきます。なぜならトレンチコートというアイテムで訴求すると競合が多いので、どこかアピールポイントを絞って伝えます。

今回のサンプルで使用したものは、シルエットがフレアになったトレンチコートでした。ですので「女性らしいシルエットを作り出してくれるトレンチコート」というジャンルを作ってしまい、そのジャンルでNO.1を目指せるようポイントを訴求していきます。

モデルさんからもらうコメントも色々質問をあげて、その回答の中から「フレアなシルエットなので、柔らかな印象を与えてくれる一着。なんなら足も細く見えます」的な内容を抜き出していきます。やらせじゃないです、演出です(笑)。

ディテールカットでは、裏地などの見えないポイントは最低限。さらにフレアなシルエットにまつわるポイントを訴求していきます。例えばこのラフの場合でいくと左から二番目の画像「ウエストベルトでマークすることで、より女性らしいメリハリの効いたシルエットが完成!」的な内容ですね。

このアイテムを多角的に捕らえて、その特徴の中から膨らませることができそうなポイントを探すコツは、好きになるしかありません(笑)。そして特訓です。たくさんお洋服を見て書きまくるか、自分でたくさん着て体験していくしかない。

好きじゃなきゃ分からない視点こそ、お客様が気づいていないポイントであり、多くの場合そこが作り手のこだわっただったりします。

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コーディネート提案は「実際の利用シーン = 着たときの体験」を連想できるように

商品を紹介したら終わり?いやいやそんな味気ないこと言わないでくださいよ。お客様は商品がほしいんじゃない、その商品を身につけたことで得れる体験を求めているんです。

僕はそのために、お客様が実際に利用するシーンをイメージできるよう意識します。コーディネート提案という名目で。ですのでコーディネート提案であれば白バックでもどこか一カ所決めた場所でも良いのですが、着用シーンを意識してもらうにはそうはいかない。ロケ撮です。

具体的な手法は以前のブログに書いてあるので是非参考にしてほしいのですが、今回のトレンチのケースでは「通勤・デート・普段使い」というシーンを想定しました。

通勤であればパンツスタイルにして低めのパンプスと合わせる。デートであれば夜にしてファーなどを合わせて女性らしさをアピール。普段使いではデニムやスニーカーと合わせてラフに仕上げる。

そんな感じでシーンに合わせて場所とコーディネートを変えることで、お客様が「実際の利用シーン = 着たときの体験」を連想できるよう編集していきます。

現実問題、タウンユースのブランドがほとんどですので、利用シーンといっても実際はそこまでバリエーションが豊富にあるわけではありません。ですので、ここは毎度変えていくということは難しいと思いますが、いくつかのバリエーションの中から相応しいものをピックアップして、それに沿うように絵作りしてください。

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値引きなどのフェア情報は、メインではなくて最後に背中を押す役割で!

いよいよ仕上げのコンテンツです。もしフェア等で値引きがある際には、僕はそれをメインに打ち出すことはしません。訴求するのは一番最後。お客様の背中を押す役割として使います。

「トレンチコートが今ならお得です」ではなく、「こんな魅力的なトレンチコートが、今ならお得です」という感じ。「こんな魅力的な」という部分が主であくまで値引きは従。この完成版のラフを見ていただければ一目瞭然だと思います。

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クリックすると別ウィンドウで開きます。画像をデスクトップに保存すれば拡大表示も可能です

 

客数を伸ばそうと値引きしたのにリーチできない時代

後はこのラフをランディングページやニュースレターにして、そこを着地点としてブログやSNSで集客していきます。

その際、タイトルも商品提案やコーディネートが加わったことにより、

<一般的なパターン>
この春のマストアイテム トレンチコート新発売!

<前回>
モデル&ショップスタッフ 30人に聞いた!
この春の支持率 NO.1アウターはトレンチコート

<今回>
モデル&ショップスタッフ からの支持率NO.1!
この春の大本命!トレンチコートは
フレアで差を付ける!

と、徐々に読み物色が濃くなり、より提案型のタイトルに変わってきていることが分かると思います。これならSNSにもお客様にも嫌われることなくリーチ数を稼ぐことができると思います。

宣伝すればするほど間口が狭くなり、多くの人に届かなくなる時代。本来、客数を伸ばそうと値引きしたのに、お客様にも検索エンジンにもSNSにも嫌われて結局は多くの人にリーチできなくなります。数少ない人に届いたとしても、そのお客様に伝えられることは「値引き」しているという事実だけ。

反対に読み物に編集してから発信する。その一手間をかけるだけで、検索エンジンにもSNSにも優先されて多くの人に届けることができます。しかもそのメッセージには「どうして買う必要があるのか?」そして「なぜこの店で買う必要があるのか?」さらに「それが今ならお得です」ということまで届けることができる。

伝わってます? ( 一回やってみたかったw )

これは2014年の統計と少し古いデータですが、ファッションのEC化率がまだ4%前後と低迷する中、私は取り組みの一つとしてこの手法を用いることで、3年ほどでEC化率を6%から25%へ引き上げました。ECメインではなく直営・卸あわせて全国70店舗以上を展開するブランドにも関わらず、です。

その時代は、まだ今ほどSNSや検索エンジンが宣伝を嫌っていない時代でした。でも今は大きく環境が変わり、読み物がどんどん優遇されるようになりました。この手法がますます有効になってきたと言えると思います。

直接会話することができないECでは、ここまでしてやっとお客様を接客していることになる。お客様に対して、宣伝するのではなく接客をする。これ当たり前のこと。世の常、真理ってやつです。

上記のラフを参考に一度で良いので、宣伝ではない販促・プロモーションを行ってみてください。Facebookページでは、きっと今までにないリーチ数が稼げると思いますし、お客様の反応も変わってくると思いますよ!

 

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野田 大介

野田 大介

株式会社ファナティック代表取締役
月刊誌Ollie magazineの編集者からキャリアをスタート。その後は、フリーライターとしてhoneyee.comやLightningなどでの執筆、複数のアパレル企業で商品企画、生産管理、店舗/卸営業、通販業務を歴任。現場の最前線で培った通販の運用実積に加え、メディア業界で培ったコンテンツ・マネージメント力、そして長年のアパレル経験と、アパレル通販を運営する上で必要な知識と現場経験の両面を網羅。趣味、というか生きがいは「買い物」

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