トレンドは体験を売る!? セレクトショップ事情に異変あり!?
どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?
今日のブログは、the Flagのイシュー「セレクトショップはどこへ向かっているのか?」について。
リンク先に紹介されているザ・パーキング銀座、ビームス・ジャパン、H BEAUTY&YOUTH、CPCM、CITY SHOPという5つのセレクトショップは、記事にもあるとおり「アダム エ ロペ」「ビームス」「ユナイテッドアローズ」「チャオパニック」「ジャーナルスタンダード」といった有力セレクトショップ展開する企業の新業態。
共通するのはカフェ等の専門店とタッグを組んで飲食スペースを併設しており、H BEAUTY&YOUTH以外はそれぞれプロデューサーがいるという特徴があります。
このイシューを見たときに感じたのは「いよいよモノを売っていくという観点が時代遅れになってきたんだなぁ」ということ。そしてもう一つ「個人の影響力が企業の影響力を上回ってきている」ということを痛感しました。
モノを売るな!体験を売れ!
これまで、というか今でも多くのセレクトショップでは、服や雑貨といった直接的にファッションと関連するモノを販売しています。これは「オシャレするためにお客様は服や雑貨がほしい」というモノを売る発想での品揃え。この延長線上には不毛な価格競争が待っています。
だってそうでしょ。何度も紹介している僕の師匠、藤村先生の提唱するエクスマの金言。
お客さまは、たくさん似たような店があって、どこで買ってもいい。
あるいは、どこからも買わないという選択肢もあるのに、どうしてあなたの店で買うのか?
この質問にどう答えますか?
あなたの店の商品と同じモノ、もしくは似たようなモノは他でも売ってます。しかも安くね。
だから最安値で販売できない限りは、モノを売るという発想ではもう生き残ってゆくことはできない。じゃあ、どうすれば良いのかというと「体験を売る」必要があるんですよ。
これもエクスマでよく出る例えなのですが、
あなたはタイヤメーカーです。でもあなたの会社はタイヤを売っているわけではなく、車のある幸せな生活を売っている。だから車のある幸せな生活を応援するものは商品になりえる。例えば週末、彼女や家族と過ごす美味しくて雰囲気の良いレストランガイドとかね。
もうお分かりですよね、このタイヤメーカーとはミシュランのことです。ミシュランというタイヤメーカーがレストランガイドを発行している理由は「車のある幸せな生活」という体験を売っているからです。
蔦谷家電で言えば、本や家電を売っているところは他にもたくさんある。しかも種類も多くて値段も安くね。でもあそこは「値段は高くてもセンス良いものに囲まれた生活を送りたいと思っている」そして最終的には「豊かな時間を過ごすことで得られる自信を提供している」のかもしれません。
だからトースターはバルミューダだし、掃除機はダイソン。コーヒーはスターバックスである必要があるし、本だってファッションやデザインといった本がフィーチャーされるのです。
服だってそうですよね。多くのアパレルブランドやセレクトショップが提供しているのは、
というようなことだと思います。服やアクセは手段。お客様が本当に欲しいものは体験ってこと。ドリルじゃなく、それを使って得られる穴が欲しいのです。
今回の飲食店が併設された話題のセレクトショップに関しても、モノではなくそれを使って過ごす充実した時間を提供しようとしているのかも知れません。その時間の過ごし方としてセレクトされたのが、イケてる雰囲気の飲食店という提案なんだと思います。
そしてそれを提案、発信するのが企業より大きい影響力を持つ個人。
いい感じの流れです。ただ次の段階に入ると「カフェが併設されていればオシャレだから」という安易な発想で真似しちゃうところが出てきてどんどん擦り切れていくので、それまでにはプロデューサーの話題性で来ているお客様をお店のファンにする。この取り組みが求められるのでしょうね。
そのためにはモノを提供するという考えでは難しくて、個人を出して体験を提供していく必要がある。どうなっていくのか、今後を楽しみにしたいと思います。
野田 大介
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