雑誌のリースは後回し!今の時代に求められるプレス担当者の心構えとは?
どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?
通販をする上でどうしても避けられない業務の一つに撮影があります。商品ページに掲載する写真を撮るのですが、どうしても量産分から撮影すると入荷がギリギリなことが多く実店舗の店頭出し日より遅れてしまいます。
そこでサンプルを使って前もって撮影することがあるのですが、その際に「このブランドはこの先も残っていくだろうな」と思うブランドと、反対に「このままでは時代の流れに飲まれてしまうな」と感じるブランドがハッキリと分かれます。
そのポイントって、ものすごく簡単。
雑誌より通販の撮影を優先させているか?
ということ。「通販側の人間だから」って言われるのを百も承知であえて言います。雑誌より通販の撮影の方がずっと重要なんです。プレスの方、もしくはプレス業務を管轄する方、信じられないかもしれないけど最後まで聞いてください。
理由としては、ものすごく単純。
雑誌と通販、撮影が同じ1回だとしても見てもらえる回数が大きく違ってくるからです。
日本雑誌協会が公表している2016年1月〜3月のファッション誌の部数です。
唯一、元気と言われている30歳以上の女性をターゲットにしたファッション誌の中で一番発行されているCLASSYで31万部ほど。10代、20代、メンズはもっと悲惨です。しかもこれは発行部数なので、実売数はもっと低いです。
つまり雑誌にリースして掲載されたとしても、表示回数を示すインプレッションと呼ばれるWEB効果測定指標で表現すると月間で 31万 インプレッション以下になります。一ヶ月間ですよ一ヶ月間。しかも発行部数が全部売れて買った人が全部その商品を見た場合の想定です、絶対ありえないけど(笑)。( まぁ、月に何回か読む人もいるんだろうけど……)。
自社通販・ブランドサイト・SNS・他社通販・店頭ポップ etc…… 全部の表示回数を意識できているか
今度は、通販で撮影した場合を想定します。公式通販で撮影した画像を自由に二次使用できる契約にしておいてくださいね! 多少お金を払ってでもこれは絶対にしてください。その上で、その画像を通販サイトに掲載します。これだけで先程の31万インプレッションを超えてしまうブランドは多いと思います(笑)。
じゃその画像をブランドサイトの新作コーナーやニュースコーナー、SNSやブログに掲載するとします。物撮りで撮影していれば店頭のポップにだって使うケースも多いです。さらにZOZOTOWNのような他社のモール通販に画像提供していれば、そこでも使用します。
この合計値で考えると……もう差は歴然でしょうね。雑誌がリースにくるようなブランドですから、ほぼすべて31万という数字を軽〜く超えていくと思います(笑)。
自分のブランドに興味の持つ方に届けられて見られる回数も多い。どちらが優先かもう明白ですよね?
そう、もう時代は変わったんです。昔は雑誌にリースして掲載してもらうこと。これがプレス担当者の最重要ミッションでした。だから見るべき対象は雑誌関係者で、必要なスキルセットは社交性。商品やブランドの魅力をどう伝えるかという本質の部分は、雑誌の人が一手に担っていました。いわばプロに仕事のコアな部分をお願いしていたという構図ですね。
でも今は見るべき対象はお客様で、必要なスキルセットは伝える力に変わりました。つまり本質を問われる時代に変わった。本当に良い時代になりましたね〜(笑)。
それを理解しているプレス担当者の方であれば、月間なんて流暢なタイムラインに乗らずスピード感があって自分たちで構成をコントロールできるオウンドメディア ( =自社メディア。ウェブサイトやSNSやカタログのことね ) のすべてを駆使して発信しようとします。
当然、通販サイトをオウンドメディアとして捉えて商品を見て店舗で購入するウェブルーミングを考慮するだろうし、なにより各オウンドメディアで発信するための素材集めのために通販撮影を急ぎます。
それを画像の二次使用もできず拡散力も低い雑誌を盲目的に優先させてしまうという時点で、未だ古い考え方に取り残されてしまっているのかな〜と老婆心ながら思ってしまいます。
是非一度、自社の通販サイトやブランドサイト、ブログのページビュー、そしてSNSでの発信のリーチ数を足してみてください。事実、雑誌にリースするのは自社特集だけで通常リースの場合は断っている、というブランドも最近出てきました。
最後に大事なことをもう一つ。雑誌を見ている人のすべては、あなたのブランドに興味があるわけではありません。でも足して出てきた数字のほぼ全ては、あなたのブランドに興味を持つ方です。
自分のブランドに興味の持つ方に届けられて見られる回数も多い。プレスとして何を優先させるか明白、ですよね。
野田 大介
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