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「アパレル業界の常識」の真逆をすれば売上が上がった!

「アパレル業界の常識」の真逆をすれば売上が上がった!

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?
 
今日は「いつまでどんぐりの背くらべをしているのだろう|常識を疑ってみる」という僕のマーケティング師、藤村先生のブログ記事に共感しまくったので、まずはその記事の引用からスタート。

観光旅館業の常識

ボクは、観光業界でいろいろな仕事をしています。
観光ホテルは、旅行会社から集客しなければお客さんに来てもらえない。これは常識です。
でも、一般の会社から考えると旅館が旅行会社に集客してもらうのって何もしないで待っているだけ、ということになりますよね?
これまではずっと自分では何もしないで、ただ待っていれば旅行会社が集客してくれていた。何も努力しなくても、お客さんがたくさん来てくれていた。

  < 中略 >

ウエディング業界の常識

結婚式場などの業界もそうです。
大手の結婚情報誌に記事広告を出して、多くの客をそこから集めている結婚式場がたくさんある。
その情報誌が圧倒的な力を持っているから、そうなってしまっているかもしれません。

  < 中略 >

自分のお客は自分でみつける

考えてみてください。一般の業界では、自分でお客さんを見つけるのは当たり前でしょう?

自分で営業する。
自分で集客する。
当たり前ですよね?

ボクの塾生さんの旅館やホテルはかなり自社で集客できていますが、ほとんどの観光ホテルは、旅行業者に集客を頼っている。
ただ待っているだけ。
その常識を疑った観光ホテルが、圧倒的になっています。

多くの結婚式場が、大手結婚情報誌に集客を頼っている。
ただ広告を出して資料請求を待っているだけ。
その常識を破った結婚式場が圧倒的になっているのです。

あなたも、この業界の常識って何だろう?そう考えてみるといいと思います。

 
はい。じゃあアパレルで考えてみたいと思います。 

アパレル業界の常識

まずはアパレル業界で定番となっているシーズンイベントについてご紹介していきます。基本的には、これを半年に一回繰り返していきます。

1. 撮影
まずシーズンの始めに外人さんが着た非現実的なイメージカットを撮影します。

2. カタログ配布
その画像を使ってカタログを制作します。かなりお金かけて。それを店頭においてお客様に配ります。厳密には置いておいてお客様が持っていくのを待ちます。
 
3. フェア
フェアは「スプリング・フェア」とか「ゴールデンウィーク・フェア」というようなお題目で、パッと見で何をしてるか分からないイベントを行う。告知は概要だけをそのままSNSに投稿。

4. セール・福袋
セールに向けて万全の積み込みを行い、プレセールと題してメルマガやLINE会員に先行でセールを開催。

舘の都合上「セール」とうたえないので「スペシャルプライス」としか表記できないなど、お客様にとってはど〜でもいい制約もあったりなかったり(苦笑)。後は舘の開催日に合わせてセールを行う。

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どうでしょう? 意外とこのパターンに当てはまるブランドが多いと思います。ブランドごとに違うのは、モデルさんの顔ぶれ。後はフェアがオフかポイント付与かセットかノベルティか。そのバリエーションくらいかな。

でも「このアパレルの常識はもう通用してないじゃん」ってことで、色々テストをしてみたんですよ。そしたらね、色々分かったんです。

アパレル業界の常識の真逆をすれば売上が上がった!

はい。それだけ。じゃ、どういうことを実行したかご紹介していきますね。

1. 撮影
リアルティのある日本人モデル、いやむしろもっと身近な店舗スタッフで、実際にお客様が商品を着用するシーンをイメージできるカットを撮影する。

< 参考記事 >
売れる商品撮影のテクニックを元ファッション誌の編集者が伝授 

2. カタログ配布
カタログは少量だけ印刷して配布ではなく、日頃の感謝のメッセージと共に郵送。対象の顧客は、直近一年間の購入金額上位10%の上位顧客だけ。その際できる範囲で構わないので、購入履歴を見てカタログ内のオススメ商品に付箋を貼る。

< 補足 >
それ以外のお客様には、配布もしません。SNSWEBサイトで見てもらえば十分です。全員にバラまくなら、その印刷コストを上位顧客への配送費用にあててください。その方がよっぽど効果が出ます。信じてください。

3. フェア
縦売りしたい品番でコンテンツを作成します。その際フェア等のイベントは、あくまでメインではなくサブ。

なぜその商品を買う必要があるのか?というニーズの喚起から、商品を使って得ることができる価値をコンテンツにして伝えていきます。けっして宣伝ではなく読み物にします。フェアは最後、背中を押す役割であくまで補足情報となります。

 < 参考記事 >
【 実践 】雑誌の編集方法から学ぶ、売れる販促・プロモーション術 <前編> <中編>  <後編> 

4. セール・福袋
セールや福袋はします。でもセールに向けての積み込みは、ほぼしません。その分、梅春や晩夏など新規商品の方に仕入れ予算を割きます。

理由としては、

年間購入金額の上位30%のお客様は、プロパー時期は総売上の70%〜80%くらいを占めます。でもセール時期は総売上の20%〜30%くらいしか購入していませんでした。

つまりセールは普段買っていただいている顧客様への還元イベントなんてよく聞きますが、あれ嘘なんですよ。

買っているのは、プロパー時期はあまり買わない残り70%の人たちが、セール時期に押し寄せてきてるだけ。逆に上位顧客の人は、もう持っているので次の商品を待っている。ということが分かったのです。

であれば、チェリーピッカーは相手にしないで、上位顧客の方の声に応えるべき。以後セール積み込みは大幅に削減して、基本は残っている在庫をさばくだけ。なるべく仕入れ枠を新規商品に移行しました。

それと上位30%の顧客の方しかサイトに入れない日を作って、1日限定のセールを期中に開催したことがあります。

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このイベント開催中は、上位顧客の方以外はログインしてもサイトにすら入れませんでした

これは売れましたね〜。タイムセールの品番以外はすべて10%OFF。通常のセールよりOFF率が低くても、普通に本セール初日と同じ売上が作れました。

OFF率も低いので利益も確保できるし、セール品では喜んでいなかった上位顧客の方がちゃんと買ってくれる還元イベントにすることもできた。

数件「 サイトに入れないんだけど? 」というようなお問い合わせ/クレームがありましたが、「特別なお客様のみのご招待イベントを開催中のため、また明日ご来店ください」と案内しました。

普段あまり買わない人より、普段いっぱい買ってくれる人を「露骨」に「徹底的に」差を付けて優遇する。だから喜ばれて、また選んでいただけるのです。

だってお馴染みさんのために、そうじゃないお客様は来店してくれたのに追い返すんですよ? そこまでするサイトってないでしょ? だから響いて、結果も出るんですよ。


いかがでした? はい、ボク極端なんです(笑)。

でもセオリーとは全く違う手法だけど、聞くと納得する部分もありませんか? しかも全部テストして結果も出ています。

常識を疑うことができれば独自化が進み、自社で集客ができるような魅力的なお店/サイト作りができる。「いっつも、またはどこもワンパターンだな」と思うこと。そこに独自化のヒントが隠れていると思います。

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野田 大介

野田 大介

株式会社ファナティック代表取締役
月刊誌Ollie magazineの編集者からキャリアをスタート。その後は、フリーライターとしてhoneyee.comやLightningなどでの執筆、複数のアパレル企業で商品企画、生産管理、店舗/卸営業、通販業務を歴任。現場の最前線で培った通販の運用実積に加え、メディア業界で培ったコンテンツ・マネージメント力、そして長年のアパレル経験と、アパレル通販を運営する上で必要な知識と現場経験の両面を網羅。趣味、というか生きがいは「買い物」

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